お客様に喜んでいただく為に良く聞く言葉で
「 needs(ニーズ)を満たせば顧客満足を得られる 」
というのがありますね。
しかし結論を言うと、
「 needsを満たしてもお客様の心はつかめていません。」
というお話です。
あなたは喉が渇いているとして、自動販売機でお茶を買おうと思います。
この時のニーズは「 お茶 」です。
ボタンを押してお茶を手に入れて飲むことでニーズは満たされます。
さて、ではあなたはその自動販売機のリピーターになるでしょうか?
なりませんよね。
その自動販売機はたまたまそこにあっただけです。
偶然、そこにあったから買った。
これ以上でも以下でもないですよね。
ニーズは所有の欲求です。
所有すれば満たされます。
でも物に溢れている現代では
同じ品質のものが同じような価格で売られています。
お客様にとっては、どこで買っても一緒なわけです。
ニーズを満たすだけでは、
あなたのお店であなたから買う理由にならないんです。
そこで、
ニーズの次の感情は何でしょうか。
それをWants(ウォンツ)といいます。
ウォンツは「 その商品を購入することで何をやりたいのか 」ということです。
さらにウォンツの先の感情でWish(ウィッシュ)があります。
ウィッシュとは「 願望 」です。
ウィッシュとは、その商品を買うことでお客様はどんな願望を叶えたいのか。ということです。
このウィッシュを満たすことができれば
お客様をあなたのファンにすることができます。
例えば、
眼鏡屋さんがあるとします。
そこに1人のおじいさんが来店してきました。
お客様の心をつかめない、普通の接客はこうです。
おじいさん「 老眼鏡が欲しいんですが。 」( 老眼鏡=ニーズ )
店員 「 老眼鏡ですね、はい、ございます。こちらへどうぞ。」
「 どんな色がお好みですか? 」
おじいさん 「 赤いのがいい 」
店員 「 フチはどんなのがお好みでしょうか 」
おじいさん 「 太くて軽いのがいいかな 」
店員 「 それならこれなんかいかがでしょうか 」
おじいさん「 うーん。。。ちょっと高いね。。。」
店員 「 ・・・今ならご購入いただくと〇〇の特典がついてきます! 」
「 さらにティッシュ3箱と〇〇のサービスをつけられますんでお得ですよ! 」
おじいさん 「 ・・・・じゃぁ、それもらおうかな。」
以上はニーズしか満たしていないパターンです。
購入してもらうために特典をつける。よくありますよね。
では、このおじいさんはこの眼鏡屋さんのリピーターになるでしょうか。
眼鏡屋が他にないならリピートするかもしれませんね。
でも今の時代、この接客ではリピートする理由になりません。
ではお客様の心をつかんでファンになっていただいて、
リピーターになるだけでなく、
周りの知り合いにも「眼鏡に困ったらここ!」って
言っていただけるサービスとはどんなものでしょうか。
「ニーズ(所有の欲求)」から「ウォンツ(行動の欲求)」を引き出し
最終的に「ウィッシュ(願望)」を満たすサービスとはこんな感じです。
()は説明です。注意深く読んでみてください。
おじいさんが眼鏡屋さんにご来店し
おじいさん 「 すいません。老眼鏡が欲しいんですが。 」
店員 「 どうされましたか? 」 ( この言葉でウォンツは引き出せます )
おじいさん 「 実は、、孫が手紙を寄こしたので返事を書きたいんだけど、
久しぶりに老眼鏡をかけたら度が合わなくてね 」
( おじいさんのウォンツが分かりました。それは「 孫に手紙を書きたい 」ということです。)
( ウォンツはわかりましたが、その先のウィッシュまでは教えてくれません。)
( そこで勘繰ります。 おじいさんは孫に手紙を書いて、どうしたいという願望(wish)をもっているのか )
( おじいさんは老眼鏡を手に入れて、孫に手紙を書いて、孫になつかれたいと思っているのではないだろうか )
( この「孫になつかれたい」がウィッシュです。)
店員 「 手紙を書いてあげたらお孫さん喜びますね 」
「 ところでおいくつ位のお孫さんなんですか? 」
おじいさん 「 小学校3年生でね。たまに遊びに来てもゲームばかりしているんだよ 」
店員 「 小学校3年生ぐらいの年頃でしたら、今、妖怪ウォッチというアニメが大流行してますよね 」
おじいさん 「 妖怪ウォッチ? そうなんだ。」
店員 「 あっちの方角に妖怪ウォッチのグッズを売っているお店があるんで
なにか買ってあげるとお孫さん喜びますよ 」
おじいさん 「 そうなんだ? え? どこのお店だって? 」
店員 「 店の前の道をあっちに行くとある〇〇というお店です。」
おじいさん 「 そうなんだ。笑 」
店員 「 あと、プレイステーションっていうゲームを買っておけば
お孫さんゲームをしに遊びに来てくれるかもしれないですね
きっと家ではゲームのやりすぎを叱られるでしょうから 」
おじいさん 「 そうなんだ。笑 」
店員 「 ところで老眼鏡ですが、これはどうでしょうか 」
おじいさん 「 うん、じゃぁ、それをもらおうかな。」
店員 「 ありがとうございます。 またいつでもいらしてくださいね。」
おじいさん 「 ありがとう。 ・・・・ところで、妖怪?・・・なんだっけ?」
店員 「 妖怪ウォッチとプレイステーションです。」
「 私の名刺に書いておきますね。お孫さんが喜んだお話きかせてくださいね。」
おじいさん 「 あぁ、ありがとう、ありがとう。また来るよ。」
これがウィッシュ(願望)を満たすサービスです。
お客様の願望を察知し、それを叶える手助けをするということです。
お客様の願望を察知し、お客様を勝たせるサービスをするということです。
飲食店なら、
お客様の来店目的を勘繰ります。
ただの食事に来ているわけではないんです。
わざわざあなたのお店で食事をする目的は何なのか、ということです。
例えば接待なら、
もてなす側(ホスト)ともてなされる側(ゲスト)がいらっしゃいますね。
お店に予約してくれた、もてなす側(ホスト)の願望は
「 ゲストに喜んでいただいて、商談を成立させたい 」
のだと勘繰ります。
なので、予約の時点で接待だとわかれば、
ゲストの好みがわかるようなら聞いておいて対応したり、
ゲストが喜びそうなプレゼントを用意しておいたり、
ゲストの仕事に関連する何かを料理に入れたりできれば喜んでいただけるかもしれません。
あとはタクシーや代行をあらかじめ予約しておいたり、
予約をしていただいたホストのお客様を勝たせるサービスを実行することです。
また、例えば合コンでご利用のお客様なら
ウィッシュ(願望)は 「 電話番号をゲットしたい 」とか
「 もっと仲良くなりたい 」とかですよね。
そうであればその為に店ができることは盛り上がるように協力することだと勘繰ります。
テンションが上がるようなメニューを勧めてみたり
( カグラなら燃えるスペアリブやハーフヤードグラスのドリンクだったり。)
客ウケの良いスタッフがいるならその子に盛り上げ役をやってもらうのもいいかもしれません。
とにかく、
お客様の願望を察知して、それを手助けすること。
これがお客様の心を一発でつかむサービスの1つ。
「 ウィッシュを満たす 」です。
お客様を一発でファン化するサービスのもう1つは
「 逸脱(いつだつ) 」というのがあります。
それは別の項目で書いていますので
よかったら読んで見てください。