カグラオーナーのフランス滞在記 16    大晩餐会 編


 

2つ星料理長のオニヴァ(さぁいくぞ!)のかけ声で一斉にスタート!

 

 

会場は続々とお客様で満たされていきます。 

 

厨房は盛り付け場に

オードブル(前菜)の皿が並べられ 

前菜担当するチームが指示を飛ばします。 

 

 

別の場所で塊肉の火入れが始まりました。  

 

 

なにしろ200人前のフルコースです。 

いつもと同じようにはいきません。 

 

 

肉がオーブンに入ると 

前菜の盛り付けに参加します。 

 

 

凄い量のパーツです。 

それが前菜担当の指示のもと 

どんどん形になっていきます。 

 

 

サービスマンがキッチンスタッフに叫びます。 

  

 

『時間通りに始まります!』 

 

『乾杯まであと1時間!』 

(乾杯が料理スタートのタイミングです。) 

 

  

そして 

 

 

『乾杯の挨拶はいります!』 

 

『時間通りです!』 

 

  

 

『乾杯しました!』 

 

『料理スタートお願いします!』

 

   

 

 

始まりました。 

 

サービスマンが料理を一斉に運びます。 

 

 

2つ星料理長が叫びます。 

 

 

『次の皿をだせ!』

 

凄い勢いです。 

 

 

 

僕たち肉料理担当は 

盛り付けの途中で抜けて 

 

肉の火入れ確認や 

肉を結んだ紐を取り外します。 

 

付け合わせも作り始めます。 

 

焼いた肉を休ませる間 

2皿目の盛り付けに参加します。 

 

 

2皿目はシャラン産鴨とフォワグラの料理。 

 

温かいうちに提供するのでスピード勝負です。 

  

 

こういう時のフランス人は圧をかけてきます。 

 

 

アレアレアレアレ!! 

(行け行け行け行け!!) 

 

そして先をやる盛り付け担当が遅いと

左肩をグイグイ押し込んであおる 笑  

 

いつものことです。 

 

  

僕の時も右側から  

 

 

 

『おぅ! 日本人! 

   

    ガンガン行け!!』 

 

  

 

僕 「わかってるわ! うるせぇ!」 

 

(初対面) 

 

 

 

右側からグイグイくるので 

  

僕は右肩に力を込めて押し返します。 

 

 

怒濤の料理出し。 

  

もうこの時には別のチームが3皿目に取りかかっています。 

 

 

2皿目の料理を出し終わって肉場に戻り

肉カットが始まります。  

 

 

そして魚料理、口直しがでて肉料理です。 

 

 


我らが料理長が叫びます 

 


 

『 アレ! オニヴァ!!』  

 

「 ウィ !   シェフ!! 」 

 

 


デザート以外の料理は出切っているので 

肉の盛り付けはデザートスタッフ以外の総動員。 

  

  

やはり肩を押し込んでくるフランス人と 

肩をぶつけながら盛り込みます。 

 

 

そしてサービスマン 

 

 

『肉料理いきます!』 

 

 

100人はいるであろうサービススタッフが運び始めます。 

 

 

客席では肉料理にソースがかかり仕上げます。 

 

 

そしてデザートがでて 

あっという間に終了。 

  

 

 

厨房は大盛り上がり。

  

肩をぶつけ合ってた

フランス人と握手。

  

   

 

 

しばらくすると

そこにサービススタッフが来て 

 

 

 

『 皆さん、会場へ! 』 

 

 

 

( え? 会場いくの? ) 

 

 

 

会場に全スタッフが入ります。 

 

 

200人のお客様に拍手で迎えられ 

 

3人の料理長が話します。 

 

 

話し終えると拍手喝采。 

 

 

気持ちのいい瞬間でした。 

 

 

 

 

厨房に戻ると 

シャンパンが全スタッフに配られ 

 

 

2つ星料理長が話します。 

 

   

 

 

『 みんな!

  よくやってくれた! 』  

 

 

『 最高の料理!』 

 

 

『 最高のスタッフ!』 

 

 

『 最高の夜だ!』 

   

 

『 ありがとう! 乾杯! 』 

 

 

  

 

グイグイっと飲み干しました。 

 

 

 

 

つづく